6章冒頭の補完
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本編6章の冒頭で、デルフォイに乗り込んだ旨がダイジェストで表示されるが、その内容はニンテンドーDS版で語られているので、テキストのみ抜粋して掲載します。
- 1デルフォイへ/Delphi HQ
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大西洋上 デルフォイ洋上本部
■デルフォイ洋上本部・甲板
声『連絡!連絡!こちら作戦本部!!
ドクターが乗艦した!先遣部隊はギルス区画の報告を!米兵「ドクター・ツキモリ、そろそろ突入を開始します。
米兵「準備はよろしいですか?
月森「わかりました。練習した通りやればいいんですね?
米兵「イエス、レディーのほうも大丈夫ですか?
アンジュ「ハイ、いつでも!
月森「…怖くないの?
アンジュ「平気……もう、大抵のことは。
先生こそ、船酔い…大丈夫ですか?月森「気分が昂ぶってるからかな、何ともないよ。
~~~ 3日前 ~~~
北崎「…天羽教授は全面的に罪を認め、供述しているそうだ。
おかげで、これまで謎が多かったデルフォイの実態が分かってきた。
やつらの本拠地は、航行を続ける巨大な艦船らしい。沓掛「それで、なかなか足取りがつかめなかった、ってわけですか。
北崎「米軍が早速動き、不審な艦船を突き止めたということだ。
国連本部の認可のもと、今、掃討計画を立てているらしい。沓掛「…バイオ兵器の倉庫でもありますしね、ウカツに手出しはできないでしょう。
北崎「カドゥケウスにも要請があった。ギルスの専門家をよこして欲しいと。
委員会の判断で数人にオファーが出されたが、みな断ったようだ。
…月森、どうする?おまえにも要請が来ている。月森「!!
北崎「命の危険も考えられる……当然、拒否権はある。
だが、しかし、これを断れば……月森「…これを断れば、ギルスを根絶する機を失う、ですね?
行きますよ、どこへでも。
病があって、そこに呼ばれたのなら…医者は行かなくては。北崎「よく言ってくれた…。
月森「…フゥーッ。
ルイス「いよいよだな…大丈夫かね、ドクター。ツキモリ。
月森「ミスター・ルイス、なんだか気をつかわせてしまって…。
ルイス「こんなトコロまで呼び出して本当にすまない…君は医師だというのに。
月森「医師だから、来たんですよ。ここには、治すべき病がありますから…
ルイス「…ありがとう、心強いよ。
ギルスの対応は一任されているが、私は後方支援の指揮だ。
現場判断は、キミを尊重する。必要なら部隊への指示も遠慮なく。月森「…わかりました。その時は、よろしくお願いします。
声『第7小隊へ!ギルスは、艦内後方との報告!
現在、第4部隊が確保中!第7小隊突入開始せよ!米兵「作戦本部、こちらハワード少尉!これより第7小隊、突入します!
行くぜ、ツキモリ!トネガワ!月森「…了解っ!!
アンジュ「行きますっ!!
ルイス「グッドラック!カミカゼドクター!カミカゼナース!
- 2原罪・壱/First Sin
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■デルフォイ本部・ギルス区画
米兵「…先遣隊、応答せよ!こちら、ハワード少尉!
ドクターを連れて突入した!ギルス区画の状況を!
……オーケイ、ラジャー!
ドクター、こちらと思われます。付いて来てください。月森「了解…! アンジュはボクの後ろに、周りには気をつけて。
アンジュ「わかったわ。
北崎「…デルフォイ本部のギルス研究は、人体を使ったものらしい。
沓掛「ヒドイ話だ…。
北崎「しかも、効果的な培養のため……
実験体には、細胞の若い子供たちが使用されているそうだ。
世界中から誘拐してきてな…。月森「何もできない子供を…。
米兵「……オウ!!ドクタァー!!
罪人「……。
月森「ヒドい…子供たちを…!
アンジュ「無理に生かされ…ギルスを植えられている…。
月森「この子たちを助ける!!アンジュ…執刀準備を!!
アンジュ「ハイ!
米兵「オウ、ノー!!今、ここでやるのですか!?
月森「そうだっ!!
カンファレンス
アンジュ「ケースに…何か書いてあります…。
GuilthPrime …?なんて…大層な名前っ…。
これに意味があるとでも言いたげな…ただの人殺しのくせに…!月森「ほんとうにくだらないよ…。
まやかしの言葉の下に、多くの犠牲が生まれてきたなんて…腹が立つ…!アンジュ「見せてあげましょう!まやかしではない、医師の力を!
月森「ああ…そのつもりだ!!
手術後
月森「少尉!この子を運んでください!
アンジュ「手術の後です、慎重に運んで!
米兵「オッ……オッケイ!指示に従います!
何てドクターたちだ…本当にここでやりやがった…! - 3原罪・弐/Second Sin
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月森「どうやら、ここで集中して実験が行われていたようだ…。
アンジュ「デルフォイの汚れた野望から、その無垢な体にギルスを棲まわされた。
先生、次の子を…!月森「…ああ、わかってる!
沓掛「…それにしても分からないのはデルフォイに入った理由です。
天羽博士は、立派で人望もあった人だと聞きますが…。
それが、何故…。北崎「脅されていたのだ、デルフォイに。
ギルスの実験に使われた子供達、それはある特定の遺伝子を持つらしい。
そして、天羽アンジュもその遺伝子を持っていた…意味がわかるかね?沓掛「自らの子を…人質に…?
北崎「彼等の狙いは十分に効を奏した。
娘をその選択肢から外す代わりに…協力を余儀なくされた。
人の親がそれを断れようか。
そして娘は助かり…違う子供が代わりとして犠牲 となる…。
天羽博士は、自らの心の内に、罪 を埋め込まれ…彼等に繋がれたのだ。沓掛「なんという仕打ちだ…。
月森「…いたよ。次の患者だ、アンジュ。
すぐに助けよう。降ろすから、手伝ってくれ…。カンファレンス
アンジュ「スペクトル分析完了。…予想通り、デフテラです。
月森「意識がないとしても、苦しいだろう…。すぐ、助けてやるからな。
これより、手術 を開始します…!!手術後
アンジュ「手術の速度…上がってますね。素晴らしいです。
月森「考えてみれば、かなりのギルス患者を執刀してきたな。
この船を降りた後は、もう執刀せずにすんで欲しいよ…。 - 4原罪・参/Third Sin
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月森「少尉、チャイルドを出します!搬送部隊の手配を!
米兵「ラジャー、ドクター!
アンジュ「ゼリーの追加も手配してください!あと毛布の用意を!
米兵「オーケイ!
月森「ボクたちは、このまま救出活動を続けます!
アンジュ「…警察の説明は受けています。
父がデルフォイに入った理由も…分かりました…。月森「アンジュ、天羽博士は君を…。
アンジュ「それでも…父がやったことは決して許されることではないわ…。
誰よりも、私がわかっているつもり…。
世の中には、父を憎む人はたくさんいますから…。
そして、その罪の半分は、私が…背負っているんです…。月森「アンジュ、全てはデルフォイのせいだ、キミも天羽博士も罪なんか…。
アンジュ「そうじゃないんです…だって、父が…それを選んだんだもの。
私なんかのために……ほんとうに……馬鹿な父です……。
償いをしなければいけません、父と、私のぶんを…。月森「…この子たちにも、どこかに父と母がいるはずだ。
できるなら…また会わせてあげたいんだ。カンファレンス
アンジュ「今…ここにいるのは、私だったのかもしれない…。
ごめんね…。
馬鹿なお父さんのせいで…本当にごめんね…。月森「君がそれを償いたいと言うのなら…ボクも手伝うよ。
さあ、手術 を始めよう!!手術後
米兵「そのチャイルドを搬送します!そっと静かに…でしたね。
アンジュ「ええ…よろしくお願いします。
米兵「ウチのベイビーが風邪をひいた時の事を思い出しました。
自分がかわってでも、治してやりたくなったもんです。
アンタ達が無茶してる理由が、なんとなくわかってきましたよ。月森「………。
米兵「さぁ、急いで!次の子も待ってますよ!
- 5原罪・四/Fourth Sin
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月森「流石にキツイな、これだけ連続だと…。
アンジュ「…オキシゲン、吸います?
月森「いや、鍛えてあるから大丈夫。
ガンバレ、孝介。タフでなければ医師とは言えないぞ。北崎「エイドット製薬はどうやらデルフォイ傘下らしい。
沓掛「そうでしたか…。
遺伝子創薬では三指に入ると言われる会社だというのに。北崎「驚異的な財務状況らしい、そりゃあ資金には困らんはずだよ。
表でビジネスをしながら、裏では医療テロを行い…
あまつさえ、自らの思想を布教していたとはな。月森「その中心は?
北崎「完全な秘密主義で通していて、実態は定かではない。
ヨーロッパ系の人物が創始者らしいが、その姿も、行方も謎のままだ…。月森「『彼は、こう呼ばれているらしい……』
『“プレジデント”と』……。
この船にいるのか…その…ギルスの発端となった人間が…。カンファレンス
アンジュ「さっきから、目障りですね…これ。
月森「そこら中に書きなぐってあるヤツかい?教義みたいなものかな…これは。
アンジュ「『死ぬこともままならない時代…』誰も死なんて望んでいないのに。
月森「……。
どうなんだろう。あるいは、それも真実なんだろうか。
天羽博士も、その言葉には従ってはいなかったけど、
それがどういう意味かは、理解していたような気がする。アンジュ「…死に価値があると?
月森「そうじゃない、生に価値を見出せない人もいるかもしれないという話さ。
全ての人間が、医師の助けを必要としているなんて…
もしかすると、それはボク等のエゴかもしれない。
…やめよう。
ボクにはボクの生き方がある。ボクは、死より生を選ぶ医師なんだ。
目の前の患者を助けたい…ただ、それだけだ。
それでは、手術 を開始します!手術後
月森「ふぅ…また一人助けられた…。
アンジュ「この子たちは、このあと何処へ?
月森「米軍経由で、米カドゥケウスが引き取ってくれるらしい。
ルイスさんが、キチンと治療してくれるだろう…。 - 6原罪・伍/Fifth Sin
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米兵「ドクター・ツキモリ!報告します!
艦内は我が軍によりほぼ制圧されたとのことです!
残るのはこの区画だけ…まもなく応援部隊が合流可能です!月森「了解した…だが、応援は待って欲しい。
アンジュ「いいんですか?この先に何かあったら…。
月森「まだ、患者がいるから…。
治療を優先だよ、手術室で戦闘はして貰いたくないんだ。アンジュ「…そうですね!
北崎「生と死をコントロールしようとするデルフォイ、か。
天使と死神を併せ飼い、神の真似事をしたいらしい。沓掛「医者は人間の生を手助けすることはできる。
だが、生を決定する者ではない。
命の責任と権利は、全て本人にある。それはいつの時代も変わらない。北崎「重症は最新医療で治り、未来に患う疾病は遺伝子から予知される。
医学の進歩は、確かに命をコントロールできる段階にある。
だが、それは人の幸福とは別の話だ。
命以上のものがある。だから医師は、命を助ける。
そうだよな、日比谷……。アンジュ「先生、5人目の子供があそこに!
月森「…待ってろよ、今いくからな!
カンファレンス
アンジュ「この反応…ペンプティです…。術式、覚えてますよね?
月森「ああ…もちろん…きっと、一生忘れる事はない…。
この子は今も蝕まれ続けている…一刻も早く、取り除かなければ。アンジュ「…道具の準備、完了です。
月森「OK!!
手術 を開始します!!手術後
米兵「ドクター!ルイス少佐から通信です!
輸送機を1機、チャイルドの搬送に出すとのことです!アンジュ「助かります!
米兵「おエラ方の避難用だったらしくて…上はカンカンらしいですが。
月森「ありがとう、ルイス少佐…あなたもやっぱり医師なんだな…。
- 7原罪・六/Sixth Sin
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アンジュ「先生、これまでで治療したギルスは5つですから…。
情報通りなら、あと2人です。もう少しだけ頑張って下さい!月森「大丈夫、ボクがここに立っているのは、ボク一人の力じゃないから…。
明神「…腕利きはツライわね。危険なコトに何度も駆り出されて。
まあ、私がカドゥケウスのお偉いさんでもあなたを指名するけどね…。
いってらっしゃい。あなたの超執刀の見せ所よ。佐倉「……引き受けたんだってな。デルフォイ掃討への参加。
お前らしいよ…後先考えずに戦場へでも白衣で行ってしまうからな。
だが…お前は俺たちの誇りだよ。幸運を祈るぜ。沓掛「……もしもし、ああ、月森か。沓掛だ。北崎の。
宗二に聞いたよ。医療テロ集団の本拠地に乗り込むんだってな。
いやなに、一言、励ましを入れてやろうを思ってな。
ずいぶんと無茶をする医者になったもんだ、ハハハ。
がんばって来い、月森。いつも通り、冷静に、敏速に、な。月森「こんな場所でメスを持つことがあるなんて、考えたこともなかった…。
アンジュ「…それでも、今、先生はメスを持って立っている。
つまりはそういうこと…ですよね。月森「ああ…そうだな、まったく我ながら…とんでもない話だ。
カンファレンス
アンジュ「きっと…ここの子供たちにも、正しい命の置き場所があります。
戻るべき場所に戻れないのが、この病気のせいだとしたら…。月森「ボク達には、それを治す事ができる。
彼らを、戻るべき日々に帰してやる事が出来る!
悪い夢は…今日で終わりだ!手術後
アンジュ「超執刀の副作用…出てません?
月森「…メディカル・チェック?大丈夫だよ。
アンジュ「気になるところは?
月森「…患者のことだけかな。
アンジュ「…大丈夫みたいですね。
- 8原罪・七/Final Sin
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米兵「作戦本部へ!6人目のギルス・チャイルドを保護!
おそらく残りは1人!
ただ、ドクター・ツキモリに疲労がみられます…休憩されますか?月森「大丈夫、まだやれるよ、最後の執刀を始めますと連絡を。
北崎「…医師・月森という奇跡をこの時に得られた事を神に感謝しよう。
この老兵では、どうにもならんのだからな。
本当の未来を作るのは、いつも若者だ…行って来い、月森。沓掛「…医師になって正解だったか、月森先生?
…私もだよ。
愛する人の死に、無力な自分を感じたこともあった…。
それでも…医師になって良かったと思い続けている。
おまえならできるよ、この医療テロを終わらせるんだ。アンジュ「もちろん…償いの気持ちもあります。
でも、それ以上に…私はあなたについていきたいんです。
勘違い…しないでくださいね?そういう意味じゃ…ないですから。
いつか、先生は言ってくれました、助手である私が誇れる医師になると。
約束…守ってくれましたよね。
これから向かう場所が戦場だとして、先生の背中を守るのは、私でありたい。
逃げません…罪からも、償いからも。あなたと共に戦えるのなら。アンジュ「先生、笑ってる…?
月森「ごめん…不謹慎だよね、こんな時に。…なんだか、嬉しくてね。
アンジュ「子供達を助けられたから…?
月森「そうじゃないんだ…今、ボクが医師で、ここに居られる事が、かな。
…ボクの父さんは、病気で死んだ。昔で言う、不治の病、だね。
当時の医療技術では、どうする事も出来なかった。アンジュ「…そうだったんですか…。
月森「でも、あの病院の医師達は、父さんを助けようと必死だった。
結局、父さんは死んでしまったけれど、
その治療データは残った…医師達の研究結果も残った。
そして今では、その病気はもう不治の病じゃないんだ。
きっと昔からそうやって、医師も患者も、皆で病と戦ってきた。
日比谷大臣も、そして、きっと父さんも…。
今、ここでこうしてボクがギルスと戦っていられるのは、
そんな人達の想いが、ずっとずっと積み重なってきた結果なんだよ。アンジュ「………。
米兵「ドクター・ツキモリ、最後のチャイルドを発見しました!
月森「行こうアンジュ…!最後のギルスを、ここで終わらせよう!
カンファレンス
月森「ボクが受け継いだのは、病と戦ってきた、多くの人達の想い…。
ボクの学んだ事、身に付けた技術にその想いが宿っているなら…
もう…何も迷わない。
どんな時も、どこに居ても、ボクの命がつきるまで…
ボクは、医師であり続ける!!手術後
アンジュ「………。先生、おつかれさまでした。
月森「……君こそ。
アンジュ「いい手術…でしたよね?
月森「1日で、7人の子供の命を救った。いい手術…いい日だったよ。
アンジュ「……ハイ。
月森「さて…最後にもう一つ…ギルスの
真実 を…放っては置けない…! - 9原初の者/Adam
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月森「全てのギルスは浄化した…。
デルフォイには、もう何も残っていないハズだ。
あなたは丸裸だ、プレジデント。声『ドクター・ツキモリ、ご苦労でした。
月森「えっ?
ルイス「あなたの任務は終了です。デッキへ上がって頂いても結構だ。
アンジュ「だって、プレジデントが…。
ルイス「ドクターが必要になることはもうありません。
ここからは、我がステイツの軍隊で対応します。月森「ここはギルスの研究所です!!何があるか……。
ルイス「…これは、我々の諜報だけが探り当てた事実です。
デルフォイのプレジデント。巨大製薬会社エイドットの真の創業者。
本名、エーリヒ・フォン・ライテナウ。オーストリア生まれ。
10年以上前からその消息はつかめず、目撃証言も一切無し。
そして、その年齢を数えれば…齢100歳を越える。月森「!!
ルイス「まず、生きてはいないでしょう…有るとすれば、おそらく偶像くらい。
機密の可能性がある場所に、必要以上に君を近づけるわけにはいきません。
それが…我がステイツからの命令です。アンジュ「そんな……。
……何?……人の声?声『……ヒトが命を操らんとする時代は確実にやってくる。
デルフォイがあろうと、なかろうと。私がいようとも、いまいとも。月森「生きていた…!?
ルイス「バカな…これは何かの…。
月森「…ボクは行きますよ、ルイスさん。ボクはギルスの真実を知りたい!
声『天の記した寿命は改ざんされ、ヒトは不似合いに永らえよう。
だが、いたずらに長命を与えることが我の見る未来ではない。
地にヒトが溢れんとすれば何とする?海に落ちんがごとくに。
老い、目的の失われた群れをどう見る?身も心も飢えた者たちを。アンジュ「…ずいぶんと勝手な話ね。
父はあなたの計略にはまったけど、教えには決して従わなかった。声『永らえる命には自然との調和が求められる。
これまでのヒトに、それは無い。多すぎるヒトは世界を滅ぼす。
ゆえに病はヒトと『共生』してきた。
自然の裁き、淘汰の力として……。
医道はヒトを救う。そして、世界を滅ぼす。
救いは、我が知る秘密の中にのみある。月森「今のボクは、そんな言葉に惑わされない!
今そこへ行くぞ…プレジデント!■デルフォイ・創始者室
アンジュ「これは……。
月森「オマエは……生きているのか?
プレジデント「罪は、我が内より生まれ、
外に出で、栄え、新たになり
また、我が元へと還った。アンジュ「これが100歳を越えた姿なの……?
プレジデント「かくして我は、次の人間になった。
世界を冒すことなく永らえる……
我こそは、彼岸に生きる者である。アンジュ「…違う、これ生身の声じゃないはず。きっと、どこかにスピーカーが。
月森「…生きてはいない。オマエは生きてはいないっ!!
そんな姿で!死んでいるくせに!ヒトを苦しめていたのか!プレジデント「最後の罪は…知られざるその者は、名を幸福といった。
望む者には、その力を与えよう。
我が人の世より生み出した…罪 を。月森「それはオマエの勝手な…!!
くっ…なんだ…目が霞む……!
屈しないぞ…そんな理屈で…!人の歴史がくつがえされてたまるか!プレジデント「我こそが、原初の者なり。
逆らう者は、その言の責務を負え。
自分の子らに未来を描いてみせよ。……できるならば。
100億の人間が、さらに生み、増える世界の明日を。月森「はあっ…はあっ…オマエに……何の権利が……!
声『……見よ。我は死にながらに、生きている。
これが、未来にヒトが望む姿だ。月森「生を選びつづける人の気持ちがオマエなんかに…わかるか…!
くそ…どこへいった…!!
見えない…!!
どこだあっ…!!米兵の声『ドクタァァァ!!レイディィィィィ!!
いけない!それは幻覚ガスだ!!すぐに退去を!!
ドクタァァァ!!ドクタァァァ……… -
ニンテンドーDS版ではこの後エピローグに入ってエンディングとなる。
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